ストレスの仕組み

ストレスの仕組み

「ストレス」という言葉は、もともと、金属を研究する分野で使われていた用語でした。

それが、心理学の世界で使われ始めたのが、約70年ほど前からになります。

では、心理学でいう「ストレス」とは、どのようなものでしょう。

ストレスについて

ある平均以上の負担や緊張がかかると、人間の心身には不調が表れます。

自分の気持ちや能力に反する言動をとるとき、人はストレスを感じるものです。

その、ストレスの原因となる元凶を「ストレッサー」と呼ぶこともあります。

例えば、人の心を柔らかいボールに当てはめてみましょう。

「ストレス」に見立てた負荷を柔らかいボールにかけます。

すると、「ストレス」により、ボールはヘコみます。

ボールは弾力がありますので、その負荷を押しのけるように、元に戻ろうとします。

「ストレス」を取り除けば、ボールは元に戻るのですが、そのボールに、さらに強い負荷をかけ続けると、ボールは負荷に耐え切れずにパンクします。

これが「ストレス」による「心身の不調」です。

しかし、私たち人間は、何もしないことで、逆にストレスを感じる場合があります。

次の実験を見てください。

感覚遮断実験

外部からの音や光を、完全にシャットアウトし、僅かな一定の音だけが聞こえる空間で、被験者に目隠しをしてベットに寝かせます。

これは、なるべく身体の五感を働かせないようにするためのものです。

しばらくすると、被験者は何もしていないにも関わらず、幻聴や幻覚の症状を訴えはじめ、実験は終了しました。

この実験でも解る通り、「ストレス」は必ずしも、悪いばかりとは言えない、ということです。

誰かと喧嘩した時など、確かに気分が悪いし、ストレスも溜まります。

しかし、それによって、こうすれば良かった、あれは失敗だった、などと気付き、状況を打破する術を覚えます。

人や、その他の生き物にとって、ある程度の「外部刺激」は必要だとも言えるのです。