「身代わり」の心理

「身代わり」の心理

例えば、とても悲しい想いをして、心が壊れそうなとき。

例えば、どうしようもなくイライラして、我慢できない時。

物に当たる、ということはありませんか?

たまたま手に触れたボールや、テレビのリモコンを壁に投げつけたり、ドアを開け閉めする時に、思いっきり力を入れて大音響を響かせたり(汗)

それとは少し違うかもしれませんが、自分の中での感情昇華方法として、心理学の中にも「置き換え」という心理処理法があります。

「外在化」とも言われますが、自分の心の中で起きている、抑えきれない感情を「自分以外の何か」に置き換えて、心の中の感情に折り合いを付ける、というようなものです。

分かりにくいので、例を挙げましょう。

例えば、酷く気分が落ち込んでどうしようもなく、抱えきれなくなった悲しみ。

自分で受け止めるには、あまりにも重すぎると感じた場合、人は現実逃避をします。

そして、その悲しみは自分が感じているのではない、別の誰か、何かが感じている感情だと解釈します。

例えば、ぬいぐるみ。
このぬいぐるみが悲しみを抱えているとして、自分は可哀そうなぬいぐるみを抱きしめてあげる。

その、どうしようもない悲しみは、ぬいぐるみが抱えているものなのだから、自分はこの可哀そうなぬいぐるみを慰めてあげてる。

私は大丈夫・・・。という理論です。

この理論は、怒りや憎しみにも、同じように適用され、悲しいですが、動物虐待なども、この「置き換え」という理論によって、引き起こされる悲劇と言えるのです。

「自分」をイラつかせた「アイツ」の身代わりとして・・・。